夏休みも終わり秋の気配を感じる時期になりましたね。来年本格的に就活がスタートする前に、すでに情報収集に取り組んでいる大学三年生も多いのではないでしょうか。
早い人はこの夏、インターンシップに参加した学生さんもいるかと思います。
就活を始める上でまず大切なことは、業界(ぎょうかい)・企業研究(きぎょうけんきゅう)、そして自己分析(じこぶんせき)です。やりたい仕事や自分の魅力・能力をじっくり研究・分析することで、志望する企業を見つけることができます。
また働く体験ができる、インターンシップに参加するのもおすすめです。インターンシップを経験することでその業界を体感できるので、自分と相性のいい業界・企業を見極めることができます。
1. 業界研究とは
日本には数多くの企業があり、業界別に分類されています。業界研究の目的は、各業界の種類や特徴(とくちょう)について知識を深め、最終的に自分とマッチする企業を見つけ出すことです。
1.1. 業界の全体像をつかもう
まずは世の中にはどのような業界が存在するのか、大まかでいいので全体に目を通しましょう。興味がないと思っている業界でも、いろいろ見ていくと自分のやりたいことに繋がっているかもしれません。これだ!と思う業界が出てきたら、絞り込んで詳しく調べていきましょう。
業界についての情報収集は、大学のキャリアセンター、就活情報サイト、新聞、雑誌、業界研究書籍などを使っておこないます。しかし外国人留学生にとって、日本での就活はとても複雑で分かりづらいようです。まずは手始めに外国人留学生向け業界フェアなどのイベントにどんどん参加してみましょう。
たくさんの企業が出展(しゅってん)しているので、一度に様々な業界を見ることができます。
1.2. 業界との相性
それでは外国人が多く働く業界と、どのようなタイプの人がそれぞれの業界と相性がいいのかをざっくりと見ていきましょう。
①商社:
国内外の商品やサービスなどを企業や消費者に販売するのが商社です。大きな商談をまとめるダイナミックな仕事なので、コミュニケーション能力に長け、決断力のある人が向いています。また海外との取引も多いので、語学が堪能(たんのう)な人はそのスキルを充分に活かせるでしょう。
② IT:
インターネットなどの通信ツールを扱う業界で、中でもSE(システムエンジニア)は人気の職業です。技術は日々進歩しているので、そんな変化に負けないような好奇心旺盛さと遊び心があり、新しいことに常に関心を持っているような人が向いています。またSEの仕事は毎日トラブルとの戦いなので、機転が利いてどんな問題でも解決していけるようなアイデアマンが重宝されるでしょう。
③製造:
材料や部品を組み立てて製品を作り出すのが製造業で、仕事内容は主に製品製造・組立・検査(けんさ)をする生産工程職です。ちょっとしたミスにより不良品を市場に流してしまう恐れがあるので、集中力と冷静な判断力がある人に向いています。細かいところに目を配れる几帳面な人や、地道な作業を丁寧にコツコツとできるタイプの人にはうってつけでしょう。
2.インターンシップとは
インターンシップとは、学生が一定期間企業で働くことのできる「職業体験」の制度です。希望に近い業界の企業で働くことで、実際の仕事についたり、社員の人たちの話しや仕事内容を見聞きすることで、業界への知識を深め企業の実態も知ることができるので働く姿もイメージしやすくなります。
2.1 インターンシップの種類と見つけ方
インターンシップは3種類あるので、自分に合ったものを選んで参加しましょう。大学のキャリアセンター、先輩からの紹介、企業ホームページ、就活サイトなどから見つけることができます。
①1day型
主に大手企業が実施している、企業説明・セミナー形式のインターンシップで、期間は1日です。企業側の受け入れ人数に制限がある場合もあるので、エントリー開始日時などをこまめにチェックしておきましょう。
②短期型
こちらも大手企業が中心となり、期間は3日から1週間程度です。①と同じく企業説明・セミナー形式、さらにはグループワークなどをおこないながら職業体験ができます。このインターンシップのメリットは、職場環境(しょくばかんきょう)を肌で感じることができる上、他の学生達と関わることで様々な価値観(かちかん)を知り、視野を広げることができることです。
③長期型
制作などエンジニア系の職種中心に行われるインターンシップで、他の社員に混じって経験を積みながら働くことができ、さらに給与を出す企業が多いようです。商品開発など企業から出されたプロジェクトに取り組む形で、①や②のインターンシップに比べ参加のためのハードルが高く、ES(エントリーシート)提出や面接など、本番さながらの選考を行う企業が多いです。インターンシップ終了後にそのまま採用されることもあるので、採用選考の過程だと思って真剣に取り組みましょう。
2.2 アルバイトとインターンシップの違いとは
アルバイトはあくまで「学業のかたわら収入を得る」ことを目的としています。インターンシップの場合、「仕事への理解を深めるための職業体験」と「仕事への適正を知る」ためであり、就活のゴールである志望企業の内定を勝ち取るためのプロセスです。もちろんアルバイトでも仕事内容を学べますし、自分の適正を知ることができます。アルバイトにしてもインターンシップにしても、自分の希望と近い業界で働くことをおすすめします。
まとめ
「就活ってどうやってすればいいか分からない…」と不安を抱えている外国人留学生も多いようですが、まずは業界研究で世の中の仕事について知ることから始めましょう。さらにインターンシップで実際に働くことを経験することで、自分のやりたいことがクリアになっていきます。自分の方向性を決めるための大切なステップなので、しっかり取り組んでいきましょう。